
「60点の工場保全スキーム」の中から、今回は「保全劣化要因」についてです。スキームの中でも、まずやるべきこととして挙げている項目です。
保全劣化とは、文字通り工場における保全の成果や活動に悪影響を及ぼすものや、時間と共に悪化させるもののことを指します。当然ながら、何もしなくても設備は古くなり悪化していくものですが、気づいていないことで防げる、もしくは良化できるチャンスを逃している場合があります。
一生懸命バケツに水を注いでいるのに、バケツに穴が開いている。しかもその穴が分かりにくいところに開いていて、漏れているのが分からない。非常に残念な状態です。対策しても、穴の開いたバケツに水を注いでいる状態なので、まずはこの穴を塞ぐことを何よりも最優先で実施することを強く推奨します。
よくある「保全劣化の要因」
例えばこんなものです。どれも、認識さえあれば労力・コストをそれほど掛けなくてもできることばかりです。
- ケーブル・配管の行先・起点が書いていない
- 保全資料を個人で持っている、置き場所が決まっていない
- 工事や設備購入のとき、業者から図面や資料をもらっていない
- 業者から装置の設定・ソフトをもらっていない
- 装置・盤の名前が「新集塵機」「1工場照明分電盤」のようにあいまい
ケーブルの行先なら、工事や作業の「ついで」にやれば済みます。ケーブルならケーブル札、配管ならラベルシール、面倒なら油性ペンで直接書くだけでもいい。導入時なら業者に頼んでおくだけで済みますが、あとでやろうとすると非常に大きな手間になります。
装置の設定やソフトは、機器のメモリの中に入っています。これが消えると復旧の手掛かりがなく、長期の生産停止につながる可能性が高いです。厄介なのは10年、20年後に発覚すること。その時には社内・メーカーの誰も分からない、ということになりかねません。安易に「メーカーに頼めば直してくれる」は最大のリスクだと思っています。
装置の名前も、「新」は時間が経つと通じなくなりますし、「1工場」のような括りだと似た盤と区別がつきません。
全部できなくてもいい
全てできなくてもいい、認識するだけでもいい、できるだけ穴を小さくしましょう。穴を塞げば自然と良化方向に進みます。後は自社のペースでゆっくりでも進めばいいのです。
「60点の工場保全スキーム」の全体はこちらで紹介しています。
「60点の工場保全」スキーム
ケーブルの行先の話は、こうばラボでも書いています。
保全劣化要因の穴を塞ぎましょう(こうばラボ)

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